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あくびが止まらないが続く…睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症の可能性

あくびが止まらないが続く…睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症の可能性

心の不調を感じたら、ひとりで抱え込まないでください。

大阪府柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市、
大阪市の一部(平野区・生野区・東住吉区など)対応

“精神科に特化”した訪問看護ステーション
「リライフ訪問看護ステーション」

平日・土曜・祝日 8:30〜17:30(日曜・年末年始休み)

「あくびが止まらない」「ずっと出るのはなぜ?」という不安に、やさしく丁寧に答える記事です。読めば、あくびが続くときの主な原因と体の仕組み、危険なサインの見分け方、受診の目安と科の選び方、検査・治療の流れ、自分でできる対処(睡眠衛生・日中の眠気対策・カフェインとの付き合い方)まで、一通りが分かります。検索で知りたいことを網羅しつつ、「あくび=酸素不足だけではない」という誤解も整理します。

先に結論です。あくびが止まらない状態は、多くが睡眠不足や睡眠の質の低下、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺機能低下症、薬の副作用(抗ヒスタミン薬・抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬など)、貧血・脱水・低血圧・低血糖、ストレスや自律神経の乱れ、うつ病・不安障害などが関係します。いびきや無呼吸を指摘される、日中の強い眠気・居眠り、朝の頭痛、集中力低下、体重増加・むくみ・寒がりといったサインがある場合は、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症を疑いましょう。1週間以上強い眠気が続く、日常生活や運転に支障が出るなら早めの受診を。突然の激しい頭痛・胸痛・強い息切れ・意識障害などがあれば迷わず救急受診が目安です。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群のサインと検査(ポリソムノグラフィーや簡易検査)、治療(CPAP・口腔内装置・体位療法・減量)を解説。甲状腺機能低下症はTSHとFT4、甲状腺エコーによる評価と、レボチロキシンによるホルモン補充の基本を押さえます。受診先は睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科、甲状腺は内分泌内科が目安。迷ったらかかりつけ医に相談を。加えて、寝つきと目覚めを整える睡眠衛生、短時間の昼寝、水分補給や軽いストレッチ、エナジードリンクやコーヒーの賢い使い方、マウスピースや口閉じテープの有効性の考え方まで、実践しやすい対処法をやわらかい言葉でお届けします。

目次

あくびが止まらないの検索意図と先に結論

「あくびが止まらない」「一日中あくびが出る」「いびきや無呼吸があるかも」と検索する方の多くは、単なる睡眠不足なのか、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症、貧血などの病気が隠れているのか、そしていつ受診すべきかを知りたいと感じています。中には、薬の副作用やストレス・自律神経の乱れ、うつ病・不安障害など心理面とのつながりを確かめたい方もいます。

先に結論です。数日~1週間程度の軽い眠気と一過性のあくびで、生活習慣(睡眠時間・就寝起床リズム・就寝前の光やカフェイン)を整えると改善する場合は、まずセルフケアで様子を見ても構いません。

一方で、いびき・睡眠中の無呼吸を指摘される、日中の強い眠気や居眠り、むくみ・寒がり・体重増加などが同時に続く、薬の飲み始め以降に悪化した──といった場合は、背景に病気が潜む可能性があり受診を検討してください。

突然の激しい頭痛や胸痛、息切れ・呼吸困難、意識がもうろうとするなどの症状を伴うときは、ためらわずに救急受診が必要です。

受診先の目安は、いびき・無呼吸なら睡眠外来(呼吸器内科・耳鼻咽喉科)、むくみや寒がりが目立つなら内分泌内科、原因に迷うときはかかりつけ医で相談と紹介を受けるのが安心です。気分が落ち込む、不安が強いなど心理面の不調を感じる方は、精神科・心療内科やカウンセラー、リライフ訪問看護ステーションへの相談も選択肢です。

想定読者(検索の背景)いま知りたいこと関連キーワード例次にとる行動の目安
あくびが止まらない・日中の強い眠気が続く睡眠不足か病気かの見極め日中の眠気/居眠り/酸素不足/あくび 回数睡眠時間と睡眠衛生をまず見直し、1週間以上続けば受診
いびきや無呼吸を指摘された・朝の頭痛やだるさ睡眠時無呼吸症候群の可能性いびき/無呼吸/うとうと/起床時の頭痛睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科で検査相談
むくみ・寒がり・体重増加がある甲状腺機能低下症かどうか甲状腺/TSH/FT4/だるさ内分泌内科の受診を検討。採血で確認
薬を飲み始めてから眠気・あくびが増えた副作用の可能性抗ヒスタミン薬/抗不安薬/睡眠薬/抗うつ薬自己中止せず処方医へ相談。減量・切替を検討
ふらつき・めまい・口の渇きがある貧血・脱水・低血圧・低血糖の関与鉄欠乏/水分不足/食後 だるさ水分・食事調整のうえ、症状が続けば医療機関へ
ストレスが強い/気分が落ち込む・不安が強い自律神経・メンタルの影響ストレス/自律神経/うつ病/不安障害精神科・心療内科やカウンセラー、リライフ訪問看護ステーションへ相談
突然の激しい症状を伴う緊急性の判断激しい頭痛/胸痛/息切れ/意識障害ためらわず救急受診

なお、あくびは「酸素不足だけ」が原因ではありません。睡眠の質の低下や体温調節、緊張の緩和、自律神経のアンバランス、薬の影響など複数の要因が重なって起こることが多いものです。カフェインやエナジードリンクで一時的に眠気を抑えても、原因が残れば再燃し、かえって夜の睡眠が乱れることもあります。

放置しないほうがよい理由と考えられる代表的な病気

あくびそのものは生理的な反応ですが、止まらない状態が続くと、仕事や学業のパフォーマンス低下、居眠りによる事故のリスク増大、そして病気の見逃しにつながります。特に、以下のような背景疾患は見過ごすと合併症や生活の質の低下を招きやすいため、早めの評価が重要です。

代表的な背景「こんなサイン」に注意まずとる行動受診先の目安
睡眠時無呼吸症候群大きないびき・無呼吸の指摘、起床時の頭痛、日中の強い眠気・居眠り飲酒・仰向け睡眠・寝不足の是正、早期に医療相談睡眠外来/呼吸器内科/耳鼻咽喉科
甲状腺機能低下症だるさ、むくみ、寒がり、体重増加、肌の乾燥・声のかすれ無理な減量を避け、受診して採血(TSH・FT4)を検討内分泌内科
薬の副作用抗ヒスタミン薬・抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬の開始・増量後に眠気増加自己判断で中止せず、処方医に相談して調整処方科(内科・精神科など)
貧血・脱水・低血圧・低血糖立ちくらみ、動悸、口渇、食後の強いだるさや冷汗水分・栄養補給と生活記録、持続すれば検査へ内科
ストレス・自律神経の乱れ・うつ病・不安障害寝つきの悪さ、中途覚醒、気分の落ち込み・不安、朝の倦怠感睡眠衛生の見直しと相談先の確保精神科/心療内科/カウンセラー(リライフ訪問看護ステーション等)

繰り返しになりますが、「あくびが止まらない」を放置しないいちばんの理由は、事故やパフォーマンス低下の予防だけでなく、背景の病気を早期に見つけて適切に治せる可能性が高まるからです。気になる兆しが重なるときは、無理をせず専門家に相談してください。あなたの毎日が少しでも楽になるように、私たちも伴走します。

あくびが止まらないの主な原因と仕組み

あくびが続く背景には、単なる「眠い」だけでなく、睡眠の質の低下、呼吸のトラブル、ホルモンバランスの乱れ、薬の影響、体内の水分や血糖・血圧の変動、さらにはストレスや気分の不調など、いくつもの要因が重なっていることが少なくありません。

あくびは脳の覚醒水準や自律神経の働きと関係し、眠気が強い状況や集中が途切れる場面で増えます。とくに夜間睡眠の分断や酸素化の低下が起こると、日中の過度な眠気(過眠)が生じ、あくびが止まらなくなることがあります。

睡眠不足と睡眠の質の低下

慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下(睡眠負債)は、脳の「睡眠圧」を高め、日中の強い眠気と連発するあくびを招きます。

夜更かし、就寝・起床時刻のばらつき、スマートフォンやPCの光、深夜の飲酒やカフェインの摂取、交代勤務・夜勤、子育て・介護などの生活要因が積み重なると、深いノンレム睡眠が減り、翌日の覚醒維持が難しくなります。顎を大きく開いて深く息を吸うあくびは、一時的に覚醒度を持ち上げようとする生体の反応と考えられています。

生活要因仕組み(なぜあくびが増えるか)手がかり・チェックポイント
就寝・起床時刻の不規則、夜更かし概日リズムの乱れで深睡眠が不足し、日中の覚醒が不安定に休日に長寝、午前の強い眠気、午前中の集中困難
寝る直前のスマホ・PC光刺激でメラトニン分泌が抑制され入眠遅延布団に入ってから入眠まで30分以上かかる
深夜の飲酒・カフェイン浅い睡眠・中途覚醒が増え、睡眠の質が低下夜中に何度も目が覚める、口渇・頭重感
交代勤務・夜勤体内時計のズレで睡眠効率が低下仮眠後も眠気が抜けない、連休でも回復しにくい

こうした生活要因が思い当たる場合は、まずは就寝・起床の固定、光のコントロール、就寝前の刺激物を避けるなど、睡眠衛生の立て直しが出発点になります。

睡眠時無呼吸症候群の可能性

夜間にいびきや無呼吸が反復する睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠が細切れになり、日中の強い眠気とあくびの多発を引き起こす代表的な原因です。

いびきや無呼吸のサインと日中の眠気

次のようなサインはSASを疑う重要な手がかりです。大きないびき、呼吸が止まる・再開時にあえぐ、夜間頻尿、起床時の頭痛や口の渇き、熟睡感の欠如、午前の強い眠気・うとうと、集中力低下や居眠り運転の危険。家族や同居人の目撃情報も診断に有用です。

「睡眠時間は取っているのに昼間の眠気が強い」「会議や運転中にあくびが止まらない」は要注意です。

検査と診断 ポリソムノグラフィーや簡易検査

診断には自宅で行う簡易検査と、医療機関で一晩泊まって行う精密検査(ポリソムノグラフィー:PSG)があります。無呼吸・低呼吸の回数や血中酸素飽和度、いびき、睡眠段階などを測定し、重症度を評価します。

検査主な項目実施場所結果の見方
簡易検査(在宅)無呼吸低呼吸指数(AHI)、いびき、SpO2自宅で貸出機器を装着AHIが高いほど重症が疑われ、PSGを検討
ポリソムノグラフィー(PSG)脳波、眼球運動、筋電図、呼吸、心電図、SpO2など睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科の検査室睡眠段階と呼吸イベントを統合的に評価

交通安全や仕事のパフォーマンスにも関わるため、疑わしい場合は早めの評価が勧められます。

治療 CPAP口腔内装置体位療法減量

治療は重症度や原因により選択します。持続陽圧呼吸療法(CPAP)は睡眠中の上気道を陽圧で支え、無呼吸を防ぐ第一選択の治療です。比較的軽症例では、下顎を前方に保持する口腔内装置(マウスピース)が有効なことがあります。仰向けで悪化するタイプには体位療法も有用です。肥満が関与する場合は減量が再発予防に直結します。鼻づまりや扁桃肥大が強い場合は耳鼻咽喉科での加療が検討されます。

「あくびが多い」「日中の眠気が抜けない」状態は、治療により大きく改善できる可能性があります。

甲状腺機能低下症の可能性

甲状腺ホルモンが不足すると代謝が落ちて全身のだるさや眠気が強まり、あくびが増えることがあります。

症状の特徴 だるさむくみ寒がり体重増加

代表的な症状は、易疲労感、寒がり、体重増加、むくみ、皮膚の乾燥、便秘、動作や思考の緩慢、月経の変化、嗄声、徐脈などです。出産後や慢性甲状腺炎(橋本病)が背景にある方では注意が必要です。

検査 TSHとFT4甲状腺エコー

血液検査で甲状腺刺激ホルモン(TSH)と遊離サイロキシン(FT4)を測定し、必要に応じて自己抗体(抗TPO抗体・抗サイログロブリン抗体)や甲状腺エコーで評価します。一般に、TSH高値かつFT4低値で甲状腺機能低下を示唆します。

治療 レボチロキシンによるホルモン補充

レボチロキシンによるホルモン補充療法が基本です。年齢や心血管リスクを考慮して少量から開始し、TSH・FT4をみながら用量調整します。適切に治療できれば、だるさ・眠気・あくびの頻度は次第に改善していきます。

薬の副作用 抗ヒスタミン薬抗不安薬睡眠薬抗うつ薬

薬の鎮静作用や服用タイミングの影響で、日中の眠気とあくびが増えることがあります。

とくに初回投与時や用量増量時、複数薬の併用時に目立ちます。自己判断での中断は危険なので、気になる場合は処方医・薬剤師に相談しましょう(運転・機械作業の可否も確認を)。

薬のグループ代表的な特徴眠気・あくびへの影響注意点
抗ヒスタミン薬(とくに第一世代)鎮静作用が強い製品がある日中の眠気・集中低下を招きやすい服用時間の見直しや非鎮静性への切替を相談
抗不安薬・睡眠薬ベンゾジアゼピン系、非ベンゾ系など持ち越し効果で朝~日中に眠気が残る急な中止は避け、漸減や剤形調整を相談
抗うつ薬SSRI/SNRI、三環系、ミルタザピンなど種類により鎮静~賦活まで幅がある副作用は数週で軽快することも、継続評価を
鎮痛薬・抗てんかん薬など一部に鎮静性あり眠気・めまい・ふらつき開始時期や用量に合わせて業務リスクを調整

貧血脱水低血圧低血糖

体内の酸素運搬・循環・水分・血糖のバランスが崩れると、だるさや眠気が強まり、あくびの増加につながります。

貧血では酸素運搬能の低下、脱水では循環血液量の低下、低血圧では脳血流の一時的な低下、低血糖では中枢神経のエネルギー不足が起こり、いずれも集中力低下や眠気を自覚しやすくなります。

状態よくあるきっかけ伴いやすいサイン検査・指標まずの対処
貧血(とくに鉄欠乏)偏食・月経過多・慢性出血動悸、息切れ、顔色不良、爪の変化血算(Hb)、フェリチン医療機関で原因検索と治療(鉄補充など)
脱水発汗・下痢嘔吐・飲水不足口渇、めまい、尿量減少、立ちくらみ血圧、脈拍、BUN/Cr比などこまめな水分・電解質補給、重症時は点滴
低血圧(起立性含む)急な起立、脱水、薬剤立ちくらみ、倦怠感、冷汗座位・立位血圧、脈拍変動姿勢変換をゆっくり、水分・塩分調整
低血糖食事抜き、激しい運動、糖尿病治療薬ふるえ、冷汗、動悸、強い空腹感血糖測定ブドウ糖やジュースの摂取、再発は医療相談

ストレス自律神経の乱れうつ病不安障害

強いストレスや自律神経の乱れ、うつ病・不安障害などの心の不調は、眠りの浅さや日中の過度な眠気を通じて、あくびの頻度を増やします。

ストレス下では交感神経優位と副交感神経の揺り戻しが繰り返され、寝つきの悪さ・夜間覚醒・未回復感につながります。うつ病では「朝から気力が出ない」「興味がわかない」「体が重い」、不安障害では「そわそわする」「動悸がする」「息苦しい」などが続き、睡眠が浅く断片化しがちです。結果として日中の眠気やあくびが目立ちます。

セルフケアで難しいと感じる場合は、心療内科・精神科での評価やカウンセリングを検討してください。地域の支援として、精神科に特化したリライフ訪問看護ステーションへのご相談も役立ちます。症状の背景にあるストレス因子や睡眠習慣を一緒に整えることで、あくびの改善につながることが少なくありません。

「疲れのせい」と我慢せず、心身のサインとして捉えて早めに相談・調整していくことが、遠回りに見えて実はいちばんの近道です。

危険なサインと至急受診の目安

「あくびが止まらない」そのものは多くの場合すぐに命に関わる状態ではありませんが、次のような症状を伴う、あるいは突然の体調急変がある場合は、ためらわずに救急対応をしてください。迷ったときは各地の電話相談 救急安心センター事業(#7119)|総務省消防庁 に相談できます。

救急受診が必要な症状 突然の激しい頭痛胸痛息切れ意識障害

下記はいずれも「今すぐ対応が必要」なサインです。自家用車ではなく救急車(119番)を要請し、楽な姿勢で安静を保ちましょう。

症状・状況考えられる重篤疾患の例緊急の対応備考
突然の激しい頭痛(「今までで最悪」)、首のこわばり、意識がもうろうくも膜下出血、髄膜炎・脳炎直ちに119番通報し、安静保持吐き気・嘔吐、けいれんを伴うことも
胸の圧迫感・胸痛、冷や汗、吐き気、顎や左腕への放散痛急性冠症候群(心筋梗塞など)直ちに119番通報安静を保ち、服用中の薬・おくすり手帳を持参
急な息切れ・呼吸困難、喘鳴、唇が紫色、胸痛重症喘息発作、肺塞栓、気胸、アナフィラキシー直ちに119番通報エピネフリン自己注射(処方がある場合)は指示通り使用
片側の手足の力が入らない、顔のゆがみ、ろれつが回らない、突然の視力障害脳卒中(脳梗塞・脳出血など)直ちに119番通報FAST(Face/Arm/Speech/Time)に1つでも当てはまれば救急へ
強い眠気や反応の低下、けいれん、強い頭痛を伴う嘔吐の反復脳出血・脳腫瘍の急変、低血糖、熱中症、薬物過量直ちに119番通報糖尿病治療中の方は低血糖の可能性、砂糖水等で改善しなければ救急
密閉空間で家族も同時に頭痛・めまい・吐き気(暖房器具使用時など)一酸化炭素中毒直ちに換気・避難し119番屋外に退避、再曝露を避ける
転倒・頭部外傷後の頭痛・吐き気・強い眠気の持続急性硬膜下血腫・脳挫傷直ちに119番通報飲酒時・高齢者は症状が遅れて出ることも
妊娠中の激しい頭痛、視界のちらつき、上腹部痛、急なむくみ子癇前症・子癇直ちに119番通報産科救急へ。安静・横向きで待機

脳卒中や心筋梗塞は「時間との勝負」です。症状が短時間でおさまっても、いったん改善して再発する一過性脳虚血発作(TIA)などの可能性もあるため自己判断で様子見にせず、救急受診を検討してください。心血管・脳血管疾患の基礎知識は国立循環器病研究センターの患者向け情報も参考になります(国立循環器病研究センター|患者さん向け病気の情報)。

救急要請の際は、飲んでいる薬、基礎疾患、アレルギー、かかりつけ医の情報を伝えられると対応がスムーズです。CPAPや吸入薬など継続治療中の機器・薬がある場合は可能な範囲で持参しましょう。

早めに医療機関を受診するケース 一週間以上続く強い眠気や居眠り

命の危険が差し迫っているわけではなくても、「強い日中の眠気や居眠りが一週間以上続く」「生活や仕事・学業に支障が出ている」場合は、早めに医療機関で評価を受けましょう。重大な疾患の初期サインや、睡眠時無呼吸症候群・甲状腺機能低下症・薬の副作用など、治療で改善できる原因が隠れていることがあります。

  • 会議・商談・運転中など「してはいけない場面」で寝落ちする、運転中にハッとする瞬間が増えた
  • エプワース眠気尺度(ESS)で11点以上と感じるような強い眠気が続く
  • 朝起きても疲れが取れず、頭痛や口の乾きが目立つ
  • 新しく始めた薬(抗ヒスタミン薬、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬など)以降に眠気が悪化した
  • 発熱・体重の急な変化・むくみ・動悸など、眠気以外の体調変化を伴う

受診の目安は「早ければ早いほど良い」ですが、少なくとも1〜2週間以内を目途に相談してください。運転や高所作業、重機操作などの危険作業は、医師評価が終わるまで控えることが大切です。夜間や休日で受診先に迷うときは、#7119(救急安心センター)に電話して症状の緊急度や受診先の助言を受けられます。

眠気や不調が長引くと、不安や落ち込みが強くなることもあります。「体はもちろん、気持ちもしんどい」と感じたら、無理をせず専門家に相談してください。かかりつけ医に加え、カウンセラー等の支援も役立ちます。精神科に特化したリライフ訪問看護ステーションでも、お気持ちの整理や医療機関受診の橋渡しをお手伝いできます。どうぞひとりで抱え込まず、早めに声をかけてください。

受診先の選び方と探し方

「あくびが止まらない」が続くときは、体のサインを手がかりに適切な診療科を選ぶと、原因の特定までが早く安全です。とはいえ、最初の一歩は迷いがち。以下の早見表と各項の解説を参考に、無理なく進めていきましょう。迷ったときは大病院へ直行するより、まず適切な窓口(かかりつけ医や関連診療科)で相談し、必要に応じて紹介を受けるのが最短ルートです

主な悩み・兆候最初に相談したい診療科その科が得意なこと次の一手・連携先
いびき、睡眠中の無呼吸、起床時の頭痛、日中の強い眠気睡眠外来・睡眠センター/呼吸器内科/耳鼻咽喉科睡眠検査(簡易検査・PSG)、気道の狭さや鼻閉の評価、CPAPや体位療法の適応判断歯科(口腔内装置)、生活習慣・減量外来、必要時は耳鼻咽喉科手術
寒がり、むくみ、体重増加、だるさ、皮膚の乾燥、月経異常内分泌内科(甲状腺外来)/一般内科TSH・FT4などの甲状腺機能検査、甲状腺エコー、薬物療法の開始と調整長期フォロー、必要に応じて甲状腺外科へ紹介(結節や腫大の精査)
薬の副作用が疑われる、基礎疾患が不明で症状が多彩かかりつけ医/総合内科服薬歴と全身状態の整理、安全性の判断、必要検査の取捨選択睡眠外来・内分泌内科・循環器内科など適切な専門科に紹介
不安や落ち込み、不眠、ストレス過多で日常に支障精神科/心療内科不眠や不安の評価、心理社会的アプローチ、薬物療法の調整睡眠専門医との連携、在宅支援やカウンセリング(リライフ訪問看護ステーション等)

睡眠時無呼吸症候群(SAS)や甲状腺機能低下症の情報は、公的機関や学会の解説も参考になります。たとえば、睡眠全般は日本睡眠学会、甲状腺領域は日本内分泌学会、生活習慣や疾患の基礎知識は厚生労働省 e-ヘルスネットが役立ちます。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠外来呼吸器内科耳鼻咽喉科

いびきや無呼吸のサイン、起床時の頭痛、運転中の強い眠気がある場合は、「睡眠外来・睡眠センター」「呼吸器内科」「耳鼻咽喉科」のいずれかが入り口になります。「いびき+日中の眠気」が揃うなら、まず睡眠外来(または呼吸器内科)で睡眠検査の適応を相談するのが近道。鼻閉(鼻づまり)が強い、扁桃肥大や鼻中隔弯曲が疑われるなら耳鼻咽喉科から始めても大丈夫です。

探し方のコツは、地域名と合わせて「睡眠外来」「睡眠センター」「SAS外来」などで検索し、実施検査(簡易検査・一泊のポリソムノグラフィー)、CPAP取り扱い、耳鼻咽喉科の手術対応可否の記載を確認すること。学会ページ(日本睡眠学会)で情報収集しておくと、施設選びの目安になります。

受診前の準備として、(1)同居家族の観察メモ(無呼吸の有無、いびきの大きさ)、(2)スマートフォンでのいびき録音、(3)日中の眠気の程度(入眠しやすい場面の記録)、(4)既往歴・服用薬(睡眠薬・抗不安薬・抗ヒスタミン薬など)をまとめておきましょう。「証拠」と「経過」を持参できるほど、初診での方向性が早く固まります

なお、大病院の専門外来を紹介状なしで受診する場合、初診時選定療養費が必要になることがあります。まずは地域のクリニックや総合病院の一般外来で相談し、必要に応じて紹介を受けると費用・時間の負担が抑えられます。

甲状腺機能低下症は内分泌内科

寒がり、むくみ、体重増加、疲れやすさ、皮膚の乾燥、便秘、月経異常などが目立つときは、内分泌内科(甲状腺外来)が最適です。一般内科でもTSH・FT4の採血は可能ですが、数値の解釈や治療の微調整、長期フォローまで見据えるなら内分泌内科がより安心です。地域に専門医が少ない場合は、まず一般内科で採血とエコーの可否を相談し、必要に応じて専門外来を紹介してもらいましょう。

探し方は、地域名と「内分泌内科」「甲状腺外来」「代謝内科」で検索し、TSH・FT4検査、甲状腺エコーの対応、レボチロキシン治療のフォロー体制が明記されているかを確認します。医療機関の情報整理には学会の情報も参考になります(日本内分泌学会)。

受診時は、健康診断結果(甲状腺の指摘やコレステロールの推移)、むくみや体重変化の記録、服用中の薬・サプリのリスト(ヨウ素を含む製品を含む)を持参するとスムーズです。産後や更年期はホルモン環境が変わりやすいため、時期の情報も添えると診断の助けになります。

迷ったらかかりつけ医に相談し紹介を受ける

複数の症状が重なっていたり、どの科がよいか判断に迷うときは、まず「かかりつけ医」や総合内科を受診しましょう。背景疾患や薬の影響を含めて全体像を整理し、優先順位の高い検査や専門科へスムーズに橋渡ししてくれます。紹介状があれば、専門外来での初診が通りやすく、重複検査も避けやすくなります。

医療機関の探し方は、(1)自治体の医療情報提供サイトで診療科・検査の有無を確認、(2)医療機関の公式サイトで「睡眠検査」「甲状腺エコー」「CPAP」などの具体的な実施状況をチェック、(3)通院のしやすさ(アクセス・予約方法・待ち時間)を比較するのが基本です。健康保険証(またはマイナ保険証)、お薬手帳、過去の検査結果を持参しましょう。

ストレスや不安、不眠が強いなど心の負担が大きい場合は、精神科・心療内科の受診や、在宅での相談支援も併用すると安心です。カウンセラーや訪問看護のサポートを希望する方は、精神科に特化したリライフ訪問看護ステーションにも遠慮なくご相談ください。睡眠外来・内分泌内科との連携をとりながら、通院と生活改善を二人三脚で支えます。

自分でできる対処と生活改善

「あくびが止まらない」は、睡眠不足や睡眠の質の低下、体内時計(サーカディアンリズム)の乱れ、日中の環境・行動によって強まることがよくあります。ここでは、今日から無理なく始められる生活改善のコツをまとめました。まずは取り組みやすいものを選び、1〜2週間ほど同じリズムで続けてみましょう。安全に関わる場面(運転・機械操作など)で強い眠気があるときは、その場で眠気対策を最優先し、無理をしないことが大切です。

睡眠衛生の整え方

睡眠衛生とは、睡眠の質を高めるための環境づくりと行動の工夫です。体内時計やメラトニンの分泌リズムを整えることで、「あくびが止まらない」ほどの眠気を和らげやすくなります。

規則正しい就寝・起床リズム

起床時刻を毎日そろえるのが最優先です。週末の「寝だめ」は1時間以内にとどめ、朝はカーテンを開けて自然光を浴びましょう。就寝前は読書やストレッチなどの「寝る前ルーティン」を10〜30分つくると、脳が眠る合図を受け取りやすくなります。

入浴と体温コントロール

ぬるめの湯(目安38〜40℃)に10〜15分、就寝の60〜90分前の入浴がおすすめです。入浴による深部体温の“いったん上がってゆるやかに下がる”流れが、入眠を助けます。熱すぎる湯や就寝直前の長風呂、激しい運動は覚醒を強めやすいので控えましょう。

光と暗さの使い分け

朝は屋外で10〜20分ほど日光を浴びると体内時計がリセットされます。夜は照明を少し落として暖色系にし、スマホやPCのブルーライトはフィルター設定やナイトモードを活用して減らしましょう。寝室はできるだけ暗く、まぶしいLED表示は隠すとよいでしょう。

就寝前のカフェイン・アルコール・喫煙

就寝前の刺激物は眠りの質を下げ、翌日の日中の眠気やあくびを増やします。次の目安を参考に、タイミングを調整してみてください。

項目やめる目安補足
カフェイン(コーヒー・緑茶・エナジードリンク等)就寝6〜8時間前まで個人差が大きいので、まずは「午後は控える」から試すのが無難
アルコール就寝3時間前まで・飲みすぎない寝つきはよくても中途覚醒やいびきを悪化させやすい
喫煙(ニコチン)就寝2時間前以降は避ける覚醒作用で寝つきが悪くなり、睡眠が浅くなる
スマホ・PC・ゲーム就寝1〜2時間前は控えるやむを得ない場合はナイトモード・暖色表示・明るさ最小で

寝具・室温・湿度・騒音

寝室は静かで涼しめ、湿度はおおむね40〜60%が目安です。エアコンの風は直接当てず、扇風機は首振りで。枕は「首の自然なカーブを保てる高さ」、マットレスは「寝返りが打ちやすい反発」を選ぶと肩こりや腰の違和感を減らしやすくなります。耳栓やホワイトノイズも有効です。

スマホ・スクリーンとの距離と設定

画面との距離は40cm以上、就寝前は通知をオフに。時間泥棒になりやすいSNSや動画は「タイマーをかけて区切る」ルールを。どうしても使う場合は、ダークモード・暖色表示・輝度を下げ、姿勢を崩し過ぎないよう気をつけましょう。

日中の運動とタイミング

日中の軽い有酸素運動(早歩き・サイクリングなど)を20〜30分、週に数回から。夕方の適度な運動は睡眠の質を高めやすい一方、就寝直前の激しい運動は覚醒を促すので避けましょう。室内ならラジオ体操やストレッチでも十分です。

日中の眠気対策

「どうしてもあくびが出て困る」時間帯に焦点を当て、短時間の仮眠、水分補給、姿勢や呼吸の工夫で乗り切りましょう。根本改善のためには、上の睡眠衛生とセットで取り組むのが近道です。

短時間の昼寝(パワーナップ)

午後の早い時間(目安13〜15時)に15〜20分の仮眠が効果的です。深い眠りに入る前に切り上げると、寝起きがスッキリします。どうしても時間が取れない日は「目を閉じて5分間の静休」だけでも違いが出ます。16時以降の長い昼寝は夜の入眠を妨げ、翌日の眠気を増やすことがあるため避けましょう。

コツ具体例
時間管理タイマーを20分に設定し、横になれない場合は机でうつぶせ休憩
環境目元を覆えるアイマスク・静かな場所・体を冷やしすぎない
起き方アラーム後に伸び・軽いストレッチ・コップ1杯の水

水分補給と食事のコツ

脱水は集中力低下と眠気の原因になります。朝・午前・午後にそれぞれコップ1杯を目安にこまめな水分補給を。昼食は「炭水化物の量を控えめにして、たんぱく質と野菜を一緒に」すると、食後の強い眠気を軽減しやすくなります。睡眠の質を守るため、夜遅い時間の重い食事は避けましょう。

姿勢・ストレッチと深呼吸

背もたれに骨盤を立てるように座り、両膝・股関節・肘はおおむね90度を意識。肩甲骨を軽く寄せ、首をゆっくり左右に倒すストレッチや、胸を開く姿勢での深い呼吸は、酸素取り込みを助けて眠気を和らげます。1時間に1回は立ち上がり、ふくらはぎを伸ばしましょう。

安全対策(運転・高所作業)

強い眠気の自覚があるときは運転・高所作業・機械操作を中断し、15分の仮眠や休憩を優先してください。カフェインやガムは一時しのぎです。眠気が再発する場合は当日の運転計画を見直し、公共交通機関や同乗者の運転に切り替える判断を。

カフェインとの上手な付き合い方

朝〜昼の早い時間に少量を活用し、午後遅くは控えるのが基本です。エナジードリンクやカフェイン錠剤の多用は動悸・不安・睡眠の質低下につながりやすいので注意しましょう。服薬中の方は相互作用の可能性があるため、自己判断で量を増やさず、医師や薬剤師に確認してください。

ストレスケアと相談先

ストレスや不安は自律神経を緊張させ、あくびを増やしやすくします。就寝前のメモ書き(ToDoを書き出して頭の中を空ける)、3分のマインドフルネス、ぬるい白湯で一息つくなど、心を緩める習慣を。つらさが続くときは、家族・職場の産業医・かかりつけ医・心療内科・精神科、またはカウンセラーに早めに相談を検討してください。必要に応じて、精神科に特化したリライフ訪問看護ステーションでも日々の過ごし方や不安との付き合い方を一緒に整えていけます。

これらのセルフケアは薬ではありませんが、積み重ねるほど効果が出ます。1〜2週間続けても強い眠気や日中の居眠りが改善しない、いびき・無呼吸・朝の頭痛がある、気分が落ち込む・不安が続くといった場合は、自己対処だけに頼らず医療機関に相談しましょう。

よくある質問と誤解

あくびは酸素不足だけが原因ではない

「あくび=酸素不足」という説明が広く知られていますが、現在の医学知見では、あくびは酸素(O2)や二酸化炭素(CO2)の濃度だけでは説明できない、複数要因が関わる現象と考えられています。眠気が高まる時間帯(概日リズム)の影響、単調作業による覚醒度の低下、緊張緩和や脳の覚醒システムの切り替え、自律神経の調整、脳の温度調節などが組み合わさって起きるとされています。

「酸素が足りないから大あくびをしている」という理解に頼りすぎると、睡眠の質の低下や睡眠時無呼吸症候群など、本来ケアすべき原因を見逃してしまうおそれがあります。

なぜ「酸素不足説」が広まったのか

昔は、あくびをするとたくさん空気を吸い込み、血液中の酸素が増えるという単純な説明が語られやすかったためです。しかし、実際にはあくびの前後で血中酸素や二酸化炭素の変化は一定ではなく、酸素投与であくびが確実に減るわけでもありません。眠気や覚醒度、情動ストレスなど神経学的な要因の寄与が大きいと考えられています。

現在支持される見方

近年は、脳の覚醒レベルを調整するための「スイッチ」のような役割や、単調な状況からの注意喚起、さらには脳温や自律神経のバランス調整に関与するという見解が主流です。周囲の人のあくびにつられて出る「伝染性のあくび」も、情動や社会性、注意の切り替えに関与する脳回路のはたらきと関連づけられています。

どんなときに注意が必要?

あくび自体は生理的な反応ですが、「強い眠気や居眠りが1週間以上続く」「いびきや無呼吸がある」「朝の頭痛や日中の集中力低下が目立つ」「寒がり・むくみ・だるさ・体重増加など甲状腺機能低下を疑うサインがある」といった場合は、原因の精査をおすすめします。胸痛や突然の激しい頭痛、息切れ、意識の混濁を伴うときは、ためらわずに緊急対応を考えてください。

睡眠や健康の基礎情報は、厚生労働省のe-ヘルスネットでも確認できます。なお、強い不安やストレス、抑うつ気分が背景にあると感じる方は、医療機関やカウンセラー(例:精神科に特化したリライフ訪問看護ステーション)へ早めに相談すると安心です。

カフェインエナジードリンクとの付き合い方

コーヒーや緑茶、エナジードリンクに含まれるカフェインは、短期的には眠気を抑え、注意力を一時的に高めます。しかし、摂り方やタイミングを誤ると入眠困難や中途覚醒を招き、かえって睡眠の質を悪化させます。とくに夕方以降の摂取、連日の多量摂取、空腹時の大量摂取は、動悸・胃部不快感・不安感を助長しやすいので注意が必要です。

カフェインは眠気の「原因」を解決する治療ではなく、あくまで一時的な対症手段です。 眠気やあくびが続く背景に、睡眠不足、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺機能低下症、貧血、ストレス、不安障害などが隠れていないかを確認しましょう。妊娠中・授乳中、不整脈など循環器疾患のある方、胃腸が弱い方は、摂取量・タイミングを主治医に相談してください。睡眠薬・抗不安薬・抗うつ薬の一部とは相互作用(効果減弱や副作用増強)が懸念されるため、服薬中の方は薬剤師に確認を。

シーン推奨される摂り方避けたい摂り方理由
朝〜午前食後にコーヒーや日本茶を少量。水分補給を併用。空腹での連杯やエナジードリンクの一気飲み。空腹時の大量摂取は胃腸刺激・動悸・不安感を招きやすい。
昼〜午後早め短時間の昼寝前に少量のカフェインをとり、15〜20分の仮眠。長時間の昼寝とカフェインの併用。短時間仮眠は覚醒度の回復に有効だが、寝過ぎは夜の睡眠を妨げる。
夕方以降カフェインレス飲料に切り替える。夕方〜就寝前のカフェインや高糖分エナジードリンク。入眠遅延・中途覚醒・利尿による夜間覚醒を招く。
運転・深夜作業安全対策として休憩と換気を優先し、必要最小限のカフェイン。眠気をごまかすための過剰摂取。過信は居眠り運転のリスク。根本原因の是正が不可欠。

国内でもカフェインの過剰摂取に関する注意喚起が行われています。製品ラベルの成分表示を確認し、複数のカフェイン飲料の「飲み合わせ」にも気をつけましょう。睡眠と健康の基礎情報は、厚生労働省のe-ヘルスネットも参考になります。

マウスピースや口閉じテープの有効性

睡眠中のあくびや強い眠気の背景に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(いびき・無呼吸)が疑われる場合、治療選択肢の一つに歯科で作製する口腔内装置(マウスピース)があります。これは下顎を前方位に保持し、睡眠中の上気道の虚脱を軽減する仕組みで、軽症〜中等症の方で有効性が期待できます。一方、重症例では持続陽圧呼吸(CPAP)が第一選択となることが多く、適応や効果判定は医科・歯科の連携のもとで行うことが大切です。

口腔内装置は「医療機器」であり、自己判断で市販品を使うのではなく、検査と診断に基づく専門的な管理が前提です。

市販のマウスピースはどう?

市販の「成形型」マウスピースはフィット感や下顎位置の調整が不十分で、不正咬合や顎関節症の悪化、歯の動揺、唾液量の変化などのトラブルにつながることがあります。無呼吸の重症度に対して適切に設計・調整されないと、いびき・日中の眠気の改善が得られないだけでなく、病状の見逃しにもなり得ます。睡眠時無呼吸が疑われる場合は、まずは睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科で評価を受け、歯科(歯科口腔外科・睡眠歯科など)と連携して作製するのが安全です。

口閉じテープの注意点

口閉じテープは口呼吸を抑え鼻呼吸を促す意図の製品ですが、医学的に睡眠時無呼吸症候群の治療としての有効性は確立していません。鼻づまり(アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎など)がある方、アルコール摂取時、吐き気のあるとき、小児、皮膚が弱い方は特に注意が必要です。気道が狭いタイプのいびき・無呼吸では、口を強制的に閉じることで、かえって呼吸努力が増し、覚醒反応や睡眠分断が悪化する可能性があります。皮膚刺激・かぶれ・誤飲・窒息リスクにも配慮し、安易な常用は避けましょう。

いびきや無呼吸の自覚がある場合は、テープで対処するより先に、原因(鼻閉・上気道形態・体重・姿勢など)を評価し、科学的根拠のある治療を検討することが重要です。

医療機関での適切な流れ

いびき、無呼吸、日中の強い眠気、起床時の頭痛、集中力低下などのサインが続く場合は、睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科で検査(簡易検査やポリソムノグラフィー)を受け、重症度に応じてCPAP、口腔内装置、体位療法、減量、鼻閉の治療などを選択します。仕事上のストレスや不安、抑うつが強く、入眠困難や中途覚醒が併存する場合は、精神科・心療内科やカウンセリングの併用も有効です。心理面のサポートが必要なときは、精神科に特化したリライフ訪問看護ステーションのような支援機関への相談も検討してみてください。

なお、対処グッズはあくまで補助。自己流で対応を続け、居眠り運転や作業中のミスが増えるまで放置するのは危険です。専門家の評価を受けて、あなたの症状・生活習慣・持病に合う方法を選びましょう。

まとめ

あくびが止まらない状態が続くときは、単なる寝不足だけでなく、睡眠時無呼吸症候群や甲状腺機能低下症、薬の副作用、貧血や脱水、ストレスや気分の不調など、体と心のサインが重なっていることがあります。結論として「放置しないこと」がいちばんの近道です。理由は、原因を特定して整えるだけで日中の眠気やだるさがぐっと軽くなり、生活の質が大きく上がる可能性が高いからです。

次のような危険サインがある場合は、ためらわずに救急受診を検討してください。突然の激しい頭痛、胸痛、強い息切れ、意識がもうろうとする・呼びかけに反応しづらい、といった症状です。重い病気が隠れていないかの確認が優先です。

早めの受診をおすすめする目安は、強い眠気や居眠りが一週間以上続く、いびきや睡眠中の無呼吸を指摘される、朝の頭痛・熟睡感のなさ、寒がり・むくみ・体重増加などのサインがあるときです。受診先は、睡眠時無呼吸症候群が疑われるなら睡眠外来・呼吸器内科・耳鼻咽喉科、甲状腺の不調が気になるなら内分泌内科が適しています。検査は簡易検査やポリソムノグラフィー、TSH・FT4や甲状腺エコーなどが行われ、治療はCPAP、口腔内装置、体位療法、減量、甲状腺機能低下症にはレボチロキシンによるホルモン補充が基本です。

薬が原因の眠気やあくびも少なくありません。抗ヒスタミン薬、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬などを使用中の方は、自己判断で中止せず、処方医に相談しましょう。薬の調整だけでも負担が軽くなることがあります。

日常でできる対処は、睡眠衛生を整えること(起床・就寝時刻をそろえる、朝に日光を浴びる、寝室を静かで暗く涼しい環境にする)、短時間の昼寝(20分以内)、こまめな水分補給、合間のストレッチなどです。カフェインは使いどきを見極め、夕方以降の摂取は控えめに。エナジードリンクの連用や多量摂取は避けましょう。

よくある誤解として、あくびは「酸素不足だけが原因」ではありません。複数の要因が関わるため、自己流で口閉じテープや市販のマウスピースを使う前に、適応や安全性について医師に相談すると安心です。

受診先に迷うときは、まずかかりつけ医に相談して紹介を受けるのが確実です。症状のメモ、同居家族からのいびき・無呼吸の目撃情報、服薬リストを持参すると診察がスムーズになります。

眠気や不安、気分の落ち込みが重なると生活は想像以上に大変になります。医療機関での評価と並行して、支えが必要なときはカウンセラーやリライフ訪問看護ステーションなど、身近な相談先も遠慮なく頼ってください。一人で抱え込まなくて大丈夫です。

あくびが止まらないサインに気づけた今が、改善への第一歩です。危険サインは急いで受診し、そうでなければ原因の見極めと生活の小さな工夫から。できることを少しずつ積み重ねるだけでも、からだは確かに楽になっていきます。

心の不調を感じたら、ひとりで抱え込まないでください。

大阪府柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市、
大阪市の一部(平野区・生野区・東住吉区など)対応

“精神科に特化”した訪問看護ステーション
「リライフ訪問看護ステーション」

平日・土曜・祝日 8:30〜17:30(日曜・年末年始休み)

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