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あくびが止まらないときに疑うべき病気・栄養不足と受診の目安

あくびが止まらないときに疑うべき病気・栄養不足と受診の目安

心の不調を感じたら、ひとりで抱え込まないでください。

大阪府柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市、
大阪市の一部(平野区・生野区・東住吉区など)対応

“精神科に特化”した訪問看護ステーション
「リライフ訪問看護ステーション」

平日・土曜・祝日 8:30〜17:30(日曜・年末年始休み)

あくびが止まらないと不安になりますよね。この記事では、命にかかわるサインの見分け方、病気や栄養不足の可能性、いつ受診するか、何科に行くか、家でできる対策をやさしく説明します。結論は、多くは睡眠不足やストレス、薬の影響ですが、貧血やうつ、いびきの病気などのこともあるため、チェックと受診の目安を知ることが大切です。血液検査や睡眠の検査の流れ、市販薬やサプリの注意点もまとめました。安心して読めます。

目次

あくびが止まらないときにまず確認したいこと

あくびは、眠いときやリラックスしたときにも出ます。けれど、急に回数が増えたり、強いだるさや気分のつらさが続くときは、体からのサインかもしれません。まずは、危険な症状がないかを確かめ、その次に生活のようすや薬などを落ち着いて見直しましょう。

命にかかわるサインがあると感じたら、ためらわずに119番に電話してください。

危険な症状がないかセルフチェック

つぎの表を見ながら、今の自分の状態に当てはまるものがないか、静かな場所でゆっくり確認しましょう。むりに動かず、近くに人がいれば助けを求めてください。

症状目安・説明とる行動
強い胸の痛みやしめつけ冷や汗、吐き気、息苦しさをともなう。数分以上つづく。すぐに119番。自分で車を運転しない。
片側の手足が動かしにくい・しびれ顔のゆがみ、言葉が出にくい(ろれつが回らない)、突然の激しい頭痛など。すぐに119番。発症時刻をメモする。
意識がもうろう・反応がにぶい呼びかけに答えにくい、会話がかみ合わない、強い混乱。すぐに119番。そばに人がいれば同乗してもらう。
ひどい息切れ・呼吸が苦しい息が浅い・速い、くちびるの色が紫っぽい、ゼーゼー音。すぐに119番。楽な姿勢で安静にする。
高い熱やけいれん38.5℃以上の高熱が続く、首がこわばる、ガクガクふるえる発作。すぐに119番。無理に飲食させない。
強い脱水(だっすい)立てない・フラフラする、尿(おしっこ)がほとんど出ない、口がカラカラ。迷わず救急相談または119番。冷やしながら安静に。
けが・頭を強く打ったあと吐き気、頭痛、ねむけが強い、出血がとまらない。すぐに119番。頭を動かしすぎない。

上のどれかに当てはまるときは、「あくびが多い」という症状だけでも油断せず、緊急の対応を優先してください。

今すぐ救急受診の目安

強い胸の痛み、片側の手足のまひ(動かしにくい)、言葉が出にくい、激しい頭痛、息がしづらい、高い熱とけいれん、意識がもうろうとしている——これらは緊急のサインです。ためらわずに119番へ。自分で運転せず、保険証やおくすり手帳があれば一緒に持っていきましょう。

早めに受診したいサイン

命の危険は高くないと考えられても、数日〜数週間のうちに受診して確認したほうが安心なサインがあります。放置すると、仕事や勉強、運転の安全に影響します。

サインめやす相談先の例
日中の強い眠気(ねむけ)2週間以上つづく、会議・授業・運転中に眠くて困る。内科、睡眠外来、耳鼻咽喉科(いびきが強いとき)
大きないびき・呼吸が止まると指摘夜に何度も目が覚める、朝すっきりしない、頭痛。睡眠外来、耳鼻咽喉科
気分の落ちこみ・不安が強い2週間以上つづく、楽しめない、動悸(どうき)や息苦しさが出る。心療内科・精神科、まずは内科でも可
冷え・むくみ・体重がふえる・だるい朝がつらい、肌が乾く、便秘(べんぴ)がつづく。内科(甲状腺のチェック)
顔色が悪い・めまい・息切れ階段で苦しい、爪が割れやすい、氷をかじりたくなる。内科(貧血や鉄不足のチェック)
食事を抜くとフラフラ・冷や汗朝食を抜くと手がふるえる、イライラして集中できない。内科(血糖のチェック)
新しく薬を飲みはじめた花粉症の薬・睡眠薬・安定剤・痛み止めのあとに強い眠気。処方医または薬局に相談。自己判断で中止しない。
発熱やかぜのあとに強いだるさ数日たっても良くならない、水分がとれない。内科
思春期で朝起きられない学校に行けないほど、昼夜逆転がなおらない。小児科・内科(起立性調節の相談)

運転、危険な作業、入浴中の眠気は事故のもとです。眠気が強い日は無理をせず、予定を見直してください。

受診のときに役立つよう、次の「セルフチェック」をメモしておくと、原因の見きわめが早くなります。

チェック項目具体例記録のコツ
睡眠のようす就寝・起床時刻、夜中に起きた回数、夢・歯ぎしり。7〜14日分を日記形式で。昼寝の時間も書く。
いびき・呼吸同居の人の指摘、アプリの記録、朝の口の渇き。録音アプリやスマートウォッチがあれば活用。
カフェイン・アルコールコーヒー、エナジードリンク、緑茶、晩酌の量と時間。午後(とくに15時以降)の摂取をメモ。
水分と食事水やお茶の量、朝食の有無、間食、夕食の時間。脱水や低血糖につながらないか確認。
薬・サプリ飲みはじめた日、飲む時間、眠気の出方。おくすり手帳と一緒に受診へ。
体調の変化発熱、体重変化、月経(生理)、妊娠の可能性。気になる症状の出た日時もメモ。
生活のストレス仕事・学校・家庭の変化、気分の波、心配ごと。出来事と眠気の強さを10点満点で記録。

ここまでを確認しても不安が残るときは、無理に我慢せず、早めに医療機関へ相談してください。自分を責める必要はありません。原因は一つではなく、睡眠、栄養、ストレス、薬などが重なっていることも多いからです。

あくびが止まらない原因の全体像

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あくびが続くと不安になりますが、多くは日常のリズムやこころと体のバランス、飲みもの・おくすりの影響が重なって起きます。まずは全体像を知り、どこに心当たりがあるかを見つけましょう。あくびは「眠い合図」だけでなく、からだをゆるめて呼吸を深くしたり、気持ちを切り替えたりするときにも出る、自然な反応です

主な要因代表的なサイン起こりやすい場面まずできる工夫
生活リズム・睡眠不足朝起きられない、日中の強い眠気、週末に寝だめ夜ふかし、夜中のスマホ、交代勤務起きる時刻を一定にする、寝る1時間前は画面を減らす
ストレス・自律神経(じりつしんけい)の乱れ肩こり、動悸(どうき)、浅い呼吸、ため息が多い人前の発表、緊張のあと、長時間の集中のあとゆっくり呼吸、こまめな休けい、軽いストレッチ
薬・カフェイン・アルコール日中のねむけ、夜の眠りが浅い、朝のだるさ花粉症の薬、寝酒、コーヒーやエナジードリンクの多飲服用時間の見直し、夜の飲酒を控える、午後のカフェインを減らす

どれか1つだけが原因というより、少しずつの「積み重ね」があくびを増やしていることが多いため、思い当たるものを1つずつやさしく整えていくのが近道です。

生活リズムと睡眠不足

夜ふかしや早起きのくり返し、週末の「寝だめ」、うたた寝の多さは、体内時計(からだの24時間のリズム)を乱し、日中の眠気とあくびを増やします。とくに寝る前のスマホやパソコンの青い光(ブルーライト)は、眠りのサインであるメラトニンの出方をおくらせ、寝つきを悪くします。

また、睡眠時間は足りていても、夜中に目がさめる、いびきが強い、朝に頭が重いなどがあると、眠りの「質」が下がり、日中に強い眠気や集中力の低下が出ます。昼食後や温かい部屋で眠気が強くなるのは自然ですが、強すぎる眠気や毎日のように続くあくびは、生活リズムの見直しサインです。

まずは「毎朝の起床時刻を固定する」「朝に太陽の光をあびる」「寝る1〜2時間前は画面を減らす」「昼寝は20〜30分まで」に意識を向けるだけでも、体内時計が整い、あくびが減りやすくなります。

ストレスと自律神経の乱れ

自律神経(じりつしんけい)は、心拍や呼吸、体温などを自動でととのえる神経です。仕事や学業のプレッシャー、人間関係の不安、緊張のあとなどでこのバランスがゆらぐと、呼吸が浅くなり、からだは力みやすくなります。このとき、からだが自分で「リセット」しようとして、深い呼吸に切り替えるためにあくびが出ることがあります。ため息や深呼吸が増えるのも同じ流れです。

長時間の集中、画面の見すぎ、肩や首のこり、空調のききすぎなどの小さなストレスも積み重なって、知らないうちに疲れと眠気を強くします。軽い運動やこまめな休けい、夕方以降は明るすぎない照明にする、寝る前は「ゆっくり呼吸(4秒吸って6秒はく)」を数回行うなど、からだを安心モードに戻す工夫が役立ちます。

気分の落ち込みや不安感が強いとき、食欲の変化や朝のつらさが続くときは、眠りの問題だけで説明しようとせず、早めに相談できる医療機関につなぐと安心です。

薬の影響とカフェインやアルコール

花粉症などで使う一部の抗ヒスタミン薬(とくに昔からあるタイプ)、かぜ薬の成分、痛み止めや胃の薬の一部、抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬などは、人によっては日中の眠気を強め、あくびを増やします。市販薬やサプリメントでも眠くなるものがあります。自己判断で量を増やしたり、組み合わせたりせず、気になるときは薬剤師や医師に相談しましょう。

カフェイン(コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなど)は一時的に眠気をへらしますが、夕方以降に多くとると夜の眠りが浅くなり、翌日の強い眠気やあくびの原因になります。アルコールは寝つきをよく感じても、夜中に目がさめやすく、睡眠の質を下げます。とくに「寝酒」の習慣は、朝のだるさと日中のあくびを悪化させます。

目安として、午後はカフェインの量をへらし、寝る3時間前は飲酒を控えることが、あくびを減らす助けになります。薬については、飲む時間帯の調整で日中の眠気が軽くなることもあるため、独断で中止せずに専門家に相談してみてください。

疑いやすい病気

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あくびが続くとき、単なる「眠い」以外の理由がかくれていることがあります。ここでは、日常でよく見つかる病気をまとめました。どれも日本でよく知られている病気で、早めに気づけば対処しやすいものが多いです。気になるサインと、どこを受診すべきかの目安を先に一覧で確認し、そのあとに詳しく説明します。

病気の名前こんなサイン一緒に出やすい症状受診先の目安
睡眠時無呼吸症候群大きないびき、呼吸が止まると指摘された朝の頭痛、日中の強い眠気、集中力低下、夜間の頻尿内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来
うつ病・不安障害・パニック不安が強いときにあくびが増える気分の落ちこみ、意欲低下、動悸、息苦しさ、過呼吸心療内科、精神科、かかりつけ内科
甲状腺機能低下症だるさが長く続く、あくびが多い寒がり、体重増加、むくみ、便秘、皮ふの乾燥内科、内分泌内科
片頭痛頭痛の前日〜数時間前からあくびが増えるズキズキする頭痛、光や音がつらい、吐き気内科、脳神経内科、頭痛外来
ナルコレプシー・過眠症十分寝ても、急に強い眠気がくる情動で力が抜ける、金縛り、入眠時の幻覚睡眠外来、脳神経内科
起立性調節障害朝起きられない、午前中にあくびが多い(思春期に多い)立つとクラッとする、動悸、腹痛、頭痛小児科(小中高生)、内科
更年期の変化寝つきが悪い・途中で目が覚める→日中あくびほてり、発汗、イライラ、月経の変化婦人科、内科
感染症・脱水などの体調不良風邪の前ぶれや発熱のときにあくびだるさ、のどの痛み、関節痛、口のかわき内科、発熱外来(発熱時)

睡眠時無呼吸症候群といびきや日中の眠気

眠っているあいだに呼吸が止まったり弱くなったりする病気です。家族に「いびきが大きい」「呼吸が止まっている」と言われる人に多く、朝起きてもスッキリしません。日中の強い眠気やあくび、集中力の低下、朝の頭痛、高血圧の悪化などが見られます。体重増加、首まわりの太さ、鼻づまり、あごの形などが関係することもあります。

運転中や仕事中に眠気でヒヤッとした経験があれば、早めに相談してください。検査や治療でよくなることが多く、鼻に装着する機械(CPAP〈シーパップ〉)などの治療が選ばれる場合があります。まずは内科や耳鼻咽喉科、睡眠外来に相談しましょう。

うつ病や不安障害やパニックとの関係

強い不安やストレスで呼吸が浅く速くなると、自律神経(からだを自動で整える神経)が乱れ、あくびが増えることがあります。気分の落ちこみ、何をしても楽しくない、朝が特につらい、動悸や息苦しさ、胸のザワザワなどが一緒に出るときは、心の不調が原因かもしれません。治療中の薬(抗うつ薬など)であくびが増えることもあります。気になるときは、決して自己判断で薬を止めず、医師や薬剤師に相談しましょう。

「気のせい」ではありません。つらさは治療やカウンセリングで軽くできます。受診先は心療内科や精神科がよいですが、まずは話しやすいかかりつけ医でも大丈夫です。

甲状腺機能低下症

甲状腺(こうじょうせん)は全身の代謝(エネルギーを作る働き)を調整します。この働きが落ちると、からだのスピードが全体にゆっくりになり、だるさや眠気が続き、あくびが増えやすくなります。寒がり、体重が増えやすい、むくみ、便秘、皮ふの乾燥、声がかれるなどが目安です。中高年の女性に比較的多いですが、どの年代でも起こります。

血液検査でホルモンの値を調べて分かります。心配なサインがそろうときは、内科や内分泌内科に相談してください。治療で改善が期待できます。

片頭痛と発作前のあくび

片頭痛(へんずつう)の人は、頭痛が起こる数時間〜前日に「前ぶれ(前兆ではなく予兆)」としてあくびが増えることがあります。ほかに、甘い物が食べたくなる、首や肩がこる、気分が落ち着かない、光や音に過敏になる、吐き気が出る、などのサインが出やすいです。ズキズキする頭痛がくる前に気づけると、早めの対処につながります。

くり返す頭痛で生活に支障が出るときは、内科や脳神経内科、頭痛外来に相談しましょう。お薬や生活の工夫でコントロールできます。

ナルコレプシーや過眠症の可能性

夜にしっかり寝ても、昼間にガクッと強い眠気が波のようにやってくる病気です。学校の授業や会議で何度も眠ってしまう、笑ったり驚いたりしたときに力が抜ける(情動で脱力する)、寝入りばなに怖い夢のような見え方をする、金縛りが多い、などがヒントです。単なる夜ふかしや睡眠不足とは違い、生活に大きな影響が出ます。

「努力が足りない」せいではありません。脳の睡眠のリズムの病気です。気になる人は、睡眠外来や脳神経内科で相談しましょう。学校や職場への配慮(席の場所、短い昼寝の時間など)も役立ちます。

起立性調節障害と思春期のつらさ

思春期に多い自律神経の不調です。朝なかなか起きられない、午前中はとてもつらいのに、午後になると少し元気が出る、といった特徴があります。立つとクラッとする、動悸、腹痛、頭痛、食欲のむら、学校に行きたくても体が動かない、といった症状が合わせて出やすく、あくびも増えます。

家族や先生に「怠け」と誤解されやすいですが、病気です。小中高生は小児科、年長の方は内科で相談してください。水分と塩分のとり方、朝の起き方の工夫、必要に応じて薬で改善が見込めます。

更年期とホルモンの変化

更年期(こうねんき)には女性ホルモンのゆらぎで、寝つきが悪い、夜中に目が覚める、汗で目が覚める、などの睡眠の乱れが起こりやすく、その結果として日中の眠気やあくびが増えます。ほてり、発汗、イライラ、月経の変化、肩こり、物忘れが気になる、といった症状が一緒に出ればヒントになります。

つらさをがまんする必要はありません。婦人科や内科で相談すると、生活の工夫や漢方、ホルモン治療など、合う方法を選べます。

感染症や脱水や体調不良のサイン

風邪やインフルエンザなどの感染症の入り口で、体がだるく、熱っぽく、眠気やあくびが増えることがあります。発熱で汗をかいたり、飲む量が減ったりすると脱水にもなりやすく、頭がぼんやりしてあくびが出ることも。口のかわき、尿の回数や色の変化、のどの痛み、関節の痛みが目安です。

高熱が続く、強いだるさや息苦しさがある、めまいで立てないなどのときは、早めに受診してください。軽い体調不良であれば、休養と水分・電解質の補給でよくなることもあります。

栄養不足で起こるあくび

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あくびそのものは体の自然な反応ですが、だるさや強い眠気(ねむけ)が続き、あくびが増えているときは、栄養(えいよう)が足りていないサインのことがあります。とくに「鉄(てつ)」「ビタミンB12」「葉酸(ようさん)」「たんぱく質」、そして「食事のリズム(低血糖〈ていけっとう〉をふくむ)」は、日中の元気や集中力(しゅうちゅうりょく)に大きく関係します。まずは食生活をやさしく整え、つらさが強いときは受診して原因を確認しましょう。

栄養不足のイメージをつかみやすいように、主なポイントを早見表にまとめました。

栄養(えいよう)足りないと出やすいサイン主な食品例検査・確認
だるさ、ふらつき・立ちくらみ、動悸(どうき)、息切れ、頭痛、肌の青白さ、あくびが増える赤身肉、レバー、あさり、かつお・まぐろ、卵、納豆、豆腐、ほうれん草、小松菜血液検査(ヘモグロビン・フェリチン)
ビタミンB12しびれ感、口内炎、舌(した)のヒリヒリ、だるさ・眠気、集中力低下魚、貝、肉、卵、牛乳・ヨーグルト血液検査(ビタミンB12)
葉酸疲れやすい、口内炎、肌あれ、妊娠初期はとくに大切緑の葉野菜(ほうれん草・小松菜・ブロッコリー)、枝豆、アボカド、いちご、海苔、レバー血液検査(葉酸)
食事リズム(低血糖)強い眠気、あくび、冷や汗、手のふるえ、イライラ、集中できない朝食+間食で「主食+たんぱく質+食物繊維」をセット血糖の測定(医療機関で確認)
たんぱく質筋力低下、むくみ、髪・爪のトラブル、だるさ・日中の眠気肉、魚、卵、豆腐、納豆、牛乳・ヨーグルト、チーズ食事内容の見直し、体重や筋肉量の変化

厚生労働省 e-ヘルスネットや食事バランスガイド(農林水産省)も、毎日の食事づくりの参考になります。

鉄不足や鉄欠乏性貧血

鉄は、体のすみずみに酸素(さんそ)を運ぶ赤血球(せっけっきゅう)を作る材料です。足りなくなると酸素をうまく運べず、だるさ・眠気・あくび・息切れ・立ちくらみなどが出やすくなります。月経(げっけい)がある方、妊娠・授乳中、成長期、ランニングなど持久系の運動をする方は不足しやすいので注意しましょう。

食事では、吸収(きゅうしゅう)されやすい「ヘム鉄」をふくむ赤身肉や魚介(あさり、かつお、まぐろ)がおすすめです。ビタミンC(ピーマン、ブロッコリー、いちご、柑橘〈かんきつ〉)を一緒にとると、鉄の吸収が上がります。緑茶やコーヒーにふくまれるタンニンは食後すぐだと鉄の吸収をさまたげるので、少し時間をあけると安心です。

「最近いつもより疲れやすい」「階段で息切れが強い」「氷をガリガリかじりたくなる」などが続くときは、内科で血液検査を相談してください。

フェリチンを含む血液検査のポイント

フェリチンは「たくわえられている鉄(貯蔵鉄〈ちょぞうてつ〉)」をみる数値です。ヘモグロビンがふつうでも、フェリチンが低いと「隠れた鉄不足」の可能性があります。原因(出血や食事量の不足など)を確かめ、食事の見直しや、必要に応じて医師の指示で鉄剤(てつざい)を使います。

サプリや鉄剤を自己判断で増やすのは避け、必ず医師・薬剤師に相談しましょう。便秘(べんぴ)や胃の不快感が出ることがあるため、合った量と期間の調整が大切です。

ビタミンB12や葉酸の不足

ビタミンB12と葉酸は、赤血球を作るときに欠かせない仲間です。足りないと、だるさ・眠気・あくびが増える、口内炎や舌のヒリヒリ、物忘れしやすい感じなどが出ることがあります。長くお肉や魚を食べていない方、胃の手術後や胃酸を抑える薬を長く使っている方、高齢の方は不足しやすいことがあります。

B12は魚・貝・肉・卵・乳製品に多く、葉酸は緑の葉野菜、枝豆、ブロッコリー、アボカド、いちご、海苔、レバーなどに多くふくまれます。葉酸は熱に弱いので、サラダや軽くゆでるなど、調理で失われにくい方法も取り入れると安心です。妊娠を考えている方や妊娠初期は、とくに葉酸が大切です(個別の量は医療者に相談してください)。

食事だけで不安が残るときは、内科で血液検査(ビタミンB12・葉酸)を相談しましょう。厚生労働省 e-ヘルスネットにも、栄養素の基礎知識があります。

低血糖と朝食や間食の重要性

食事の間があきすぎたり、甘い飲み物・お菓子だけで済ませたりすると、血糖(けっとう)が上下に大きくゆれ、急な眠気、あくび、冷や汗、手のふるえ、イライラ、頭がぼんやりするといった「低血糖」に近い状態になりやすくなります。

対策は「朝食を欠かさないこと」と「主食+たんぱく質+食物繊維(しょくもつせんい)」のセットを意識することです。たとえば、

  • ごはん+納豆+卵+味噌汁(みそしる)+野菜の小鉢
  • 全粒パン+チーズや卵+サラダ+ヨーグルト+果物
  • おにぎり+焼き魚やサラダチキン+野菜スープ

どうしてもお腹がすく時間には、甘い飲料だけでなく、素焼きのナッツ、チーズ、ヨーグルト、豆乳、ゆで卵、バナナ+牛乳のように、たんぱく質や食物繊維を少し足すと血糖の上下がおだやかになります。エナジードリンクの多用はさけ、水やお茶での水分補給を基本にしましょう。

たんぱく質不足で起きるだるさ

たんぱく質は、筋肉・内臓・血液・ホルモンを作る材料です。足りないと、筋力が落ちやすい、むくみやすい、髪や爪が弱くなる、疲れ・眠気が抜けにくいといった変化が出ることがあります。小食の方、ダイエット中、高齢の方、かむ力が弱い方は不足しやすいので意識してとりましょう。

目安としては、毎食「主菜(しゅさい)=肉・魚・卵・大豆製品」を手のひら1枚ぶんほど用意するイメージです。具体例は、魚の切り身(さけ・さばなど)、鶏むね・ささみ、豚ひれ、卵2個、豆腐1/2丁+納豆1パック、ツナ缶・さば缶など。かみにくいときは、豆腐、やわらかい卵料理、ヨーグルト、豆乳スープなどを活用すると食べやすくなります。

食事全体は、食事バランスガイドの「主食・主菜・副菜・乳製品・果物」をそろえる形にすると、栄養のかたよりが防げます。がんばりすぎず、できる一歩からで十分です。続けるほど、日中のシャキッと感が戻ってきます。

受診の目安と何科に行くか

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あくびが止まらないときは、生活リズムや寝不足が原因のことも多いですが、体や心の不調のサインのこともあります。ひとりでがまんせず、受診のきっかけを知っておくと安心です。

迷ったら「まずは内科」。全身のチェックをして、必要なら専門の科へ紹介してもらえます。

胸の強い痛み、片まひ(手足が動かしにくい)、ろれつが回らない、意識がおかしいなどの急な症状があるときは、ためらわずに救急受診(119番)を考えましょう。

症状のようすまず相談する診療科受診の目安
日中の強い眠気が続く/会議・授業で寝てしまう内科(かかりつけ医)できれば1~2週間以内。生活に大きな支障があれば早めに
大きないびき/呼吸が止まっていると言われる/朝すっきりしない睡眠外来・耳鼻咽喉科(まずは内科でも可)1~2週間以内。運転や仕事に危険がある場合は早めに
気分の落ち込み、不安、パニックに近い息苦しさとあくび心療内科・精神科(内科からの相談でも大丈夫)1~2週間以内。つらさが強い/眠れない日は当日~数日以内
月経(生理)が重い・だるさが強い/妊娠の可能性や更年期のゆらぎ産婦人科気づいた時点で予約。妊娠反応が陽性なら早めに
発熱・せき・のどの痛み・脱水の心配内科(発熱外来を含む)数日で悪化する、のどが渇いて尿が少ない時は早めに
中学生~高校生で朝起きられない・立ちくらみと強い眠気小児科または内科(年齢に応じて)学校生活に支障が出ているなら早めに

受診のときは、保険証、お薬手帳、いつから・どんな場面であくびや眠気が出るかのメモ、健康診断の結果などを持っていくと、診察がスムーズです。

まず相談しやすい内科

内科は、体全体の窓口です。あくびが多い、眠気が強い、だるいなどの広い悩みでも気軽に相談できます。医師は、生活リズム、いびき、ストレス、使っている薬(花粉症の薬や睡眠薬など)を確認し、必要に応じて血液検査や生活の整え方を一緒に考えます。

内科で原因の見通しがつけば、そのまま対応できます。いびきが強い、鼻・のどに理由がありそう、心のつらさが中心、妊娠・更年期が関係しそう、と分かった場合は、適切な専門科へ紹介状を書いてもらえます。

お子さん・思春期の場合は、小児科が相談しやすいこともあります。どちらに行くか迷うときも、近くの内科にまず連絡してみると道筋が作れます。

眠りやいびきは睡眠外来や耳鼻咽喉科

次のようなサインがあるときは、睡眠の専門外来や耳鼻咽喉科(じびいんこうか)を検討しましょう。

  • 家族に「いびきが大きい」「呼吸が止まっている」と言われる
  • 朝起きてもすっきりしない、頭が重い、口がかわく
  • 体重が増えてから、急に眠気が強くなった

睡眠外来では、眠りの質や呼吸の乱れをていねいに調べ、生活の整え方や治療の相談ができます。耳鼻咽喉科では、鼻づまり、扁桃(へんとう)や舌のつけ根など、空気の通り道の問題を確認します。予約が混みやすい地域もあるため、気づいたら早めに連絡すると安心です。

運転や高所作業がある方で、日中に強い眠気が続く場合は、安全のため早めの受診をおすすめします。

気分や不安が強いときは心療内科や精神科

強いストレスが続くと、体が酸素を取り込みやすくしようとして、あくびが増えることがあります。次のような状態が続くときは、心療内科(しんりょうないか)や精神科に相談してください。

  • 気分の落ち込みが2週間以上続く、やる気が出ない
  • 不安で息苦しくなり、あくびや深呼吸をくり返してしまう
  • なかなか寝つけない、夜中に何度も目がさめる

心療内科は、ストレスで体の症状が出ているときの相談に向いています。精神科は、気分の波や不安がとてもつらいとき、じっくり治療が必要なときに向いています。どちらでも大丈夫です。話しやすい医療機関を選びましょう。

「消えてしまいたい」といった強い気持ちがある、食事や水分がとれない、眠れない日が続く場合は、早めに医療機関へ連絡してください。

妊娠や更年期が気になるときは産婦人科

妊娠中や産後は、眠りが分断されやすく、貧血(ひんけつ:血がうすい状態)になりやすい時期です。更年期(こうねんき)もホルモンの変化で、のぼせや寝つきの悪さ、だるさが出ることがあります。次のようなときは産婦人科に相談しましょう。

  • 妊娠検査薬が陽性、月経が遅れている、強いだるさやめまいがある
  • 月経量が多くてつらい、ふらつきや息切れがある
  • 更年期の年ごろで、ほてり・発汗・不眠とだるさが続く

産婦人科では、妊娠の経過や貧血の確認、必要な栄養のとり方の相談ができます。更年期のつらさに対しても、生活の整え方や薬の使い方を一緒に考えてくれます。内科と連携して診てもらうことも可能です。

診察で行われる検査の例

1757119357 - あくびが止まらないときに疑うべき病気・栄養不足と受診の目安

医療機関では、あくびが止まらない理由をていねいに調べるために、いくつかの検査(けんさ)を組み合わせます。すべての方に全ての検査が必要というわけではありません。あなたの体調や生活のようすに合わせて、負担(ふたん)の少ない順に進めることが多いです

血液検査でフェリチンやTSHやHbA1cを確認

血液検査(けつえきけんさ)は、あくびのうしろに「貧血(ひんけつ)・甲状腺(こうじょうせん)のはたらき・血糖(けっとう)の変化」などがないかを見る、基本の検査です。とくに次の3つは大切です。

フェリチンは「体の中にたくわえられた鉄(てつ)」の量を示します。TSHは「甲状腺を動かす司令(しれい)ホルモン」で、だるさや寒がりなどの原因を手がかりにできます。HbA1c(エイチビーエーワンシー)は「ここ1〜2か月の平均の血糖」を示し、低血糖(ていけっとう)や高血糖が関係していないかを考える助けになります。

検査名何がわかるか主にどんな時に役立つか次の一歩の目安
フェリチン体内の鉄のたくわえ。隠れた鉄不足(かくれ鉄欠乏)の手がかり疲れやすい・立ちくらみ・冷え・髪や爪のトラブルがある時値が不足ぎみなら、食事の見直しや鉄剤の検討。原因(出血など)のチェック
TSH甲状腺のはたらきのバランスだるさ・体重増減・むくみ・寒がり/暑がりが気になる時異常があれば、甲状腺ホルモン(FT4など)も確認して治療を相談
HbA1c過去1〜2か月の平均的な血糖の状態強い眠け・空腹時のふらつき・間食が多い/食事を抜く習慣がある時高めなら血糖管理を、低めが気になる場合は食事リズムを調整
血算(ヘモグロビンなど)貧血の有無や程度めまい・息切れ・顔色が悪いと言われる時貧血があれば原因(鉄不足・出血など)を調べて治療
電解質・炎症反応など脱水(だっすい)や感染のサイン発熱・下痢・のどの痛み・だるさが強い時水分・栄養補給や必要な治療へ

当日の食事のルール(空腹で来るか、飲水はよいか など)は医療機関ごとに異なります。案内をよく読み、わからない時は遠慮なく電話で確認しましょう。HbA1cは通常、食後でも測定できます。健康情報の基本は厚生労働省のe-ヘルスネットでも学べます。糖尿病(とうにょうびょう)やHbA1cについては日本糖尿病学会の情報も参考になります。

睡眠の検査やポリソムノグラフィー

睡眠(すいみん)の検査は、「眠りの深さ」「呼吸(こきゅう)の止まり」「いびきの強さ」などを調べ、あくびや日中の眠けの原因を見つけるために行います。代表的なのは次の2つです。

検査の種類主な内容どんな人にすすめるか所要時間の目安
簡易睡眠検査(在宅)自宅で機器をつけて、いびき・呼吸・血中酸素を記録いびきが強い、呼吸が止まっていると言われる、朝すっきりしない装着は数分、記録は一晩
終夜ポリソムノグラフィー(PSG)医療機関で一晩、脳波・目の動き・筋肉の動き・呼吸・酸素などを同時記録簡易検査で判定がむずかしい、他の睡眠の病気が疑われる準備は30〜60分ほど、検査は一晩

いずれも痛みはほとんどなく、安全に行えます。寝つきが心配でも、できる範囲で記録するだけで十分な情報が得られることが多いです。検査や治療の流れは日本睡眠学会の情報も参考になります。

呼吸といびきの評価やCPAPの適応

耳鼻咽喉科(じびいんこうか)では、鼻・のど・あごの形を見て、いびきや息苦しさの原因を調べます。睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)があるとわかった場合、治療の選択肢(せんたくし)を相談します。代表的な方法は次のとおりです。

対応方法内容目的注意点
CPAP(シーパップ)鼻や口にマスクをつけ、やさしい空気の圧で気道を広げる機械睡眠中の呼吸の止まりや低酸素を防ぎ、日中の眠けをへらすマスクのサイズ合わせと、定期フォローが大切
口腔内装置(マウスピース)下あごを少し前に出す装置を歯科で作成気道が狭くなるのを防ぐ歯やあごの状態により向き不向きがある
生活の見直し体重管理・お酒を控える・横向きで寝る工夫などいびきや呼吸の止まりを軽くする続けやすい方法を一緒に選ぶ

どの方法が合うかは検査結果と体質で変わります。「自分に向いているか」を医師と話し合い、無理のない方法から始めましょう。治療の概要は厚生労働省のe-ヘルスネットでも確認できます。

健康診断の結果の見方

会社や学校の健康診断(けんこうしんだん)の紙も大切な手がかりです。気になるあくびや眠けと関係がありそうな項目は、次のようにチェックします。

項目ここを見るよくある意味受診のヒント
ヘモグロビン(Hb)「基準外」や「要再検」の表示低いと貧血ぎみの可能性貧血があれば、フェリチンを追加で調べると原因に近づける
HbA1c・空腹時血糖高め/低めのコメント血糖のゆらぎが眠けやだるさにつながることがある食事の時間・内容のメモを持参して相談
TSH(実施があれば)基準外の有無甲状腺のはたらきの乱れを示すことがあるだるさ・寒がり・むくみなどの症状と合わせて内科で相談
総コレステロール・中性脂肪など生活習慣の注意点睡眠の質にも影響することがある歩く時間や夕食時間など、できる工夫を書き出して相談

健診の項目だけでは原因がわからないことも多いです。フェリチンや睡眠検査は、健診には入っていないことがほとんどです。健診結果のコピーと、眠けの出る時間帯・いびきの有無・寝不足の日のメモを一緒に持って行くと、診察がスムーズになります

家でできるやさしい対処法

1757119391 - あくびが止まらないときに疑うべき病気・栄養不足と受診の目安

あくびが続くときは、生活のリズムや食事、ストレスのケアをやさしく整えることから始めましょう。毎日できる小さな工夫を重ねると、からだのリズム(体内時計)が整い、眠気やだるさが軽くなる人が多いです。

睡眠の質を整えるコツ

「長く寝る」だけでなく、「同じ時間に寝て起きる」「朝の光を浴びる」といった基本が大切です。厚生労働省のe-ヘルスネット(睡眠と健康)でも、規則正しい生活や朝の光の重要性が紹介されています。

朝の光や朝散歩や規則正しい起床

朝に強い光を目に入れると、からだのリズムがリセットされ、昼は元気に、夜は自然と眠くなります。まずは「平日も休日も起きる時間をそろえる」「起きたらカーテンを開ける」「可能なら短い朝散歩」を心がけましょう。

時間帯することポイント
起床直後〜30分カーテンを開けて光を浴びる天気が悪い日も部屋の照明を明るくする。寝る時間より「起きる時間」を固定する。
朝(可能なら)朝散歩・朝日を浴びる10〜20分、ゆっくり歩く。外が難しければ窓辺でストレッチでもOK。
朝食パンやごはん+たんぱく質卵・納豆・ヨーグルトなどを一品加えると、日中のエネルギーが安定。
夕方〜夜強い光とスマホを控える寝る1時間前から画面を減らし、照明は少し暗め・あたたかい色に。
就寝前ぬるめの入浴・軽いストレッチからだを温めて、上がった後に少し冷えると眠くなりやすい。

寝不足を週末にまとめて取り返すより、「毎日同じ時間に起きる」ほうが、結果的に眠気対策になります。

昼寝は短くする

昼寝(パワーナップ)は、短い時間なら頭をスッキリさせます。長すぎると夜の寝つきが悪くなり、翌日の眠気やあくびが増えることがあります。

項目目安コツ
時間10〜20分30分を超えないようにタイマーを設定。
タイミング昼〜午後の早い時間遅い時間(夕方以降)は避けると夜に影響しにくい。
環境明るさはやや暗め横になれないときは、椅子で目を閉じるだけでもOK。

昼寝の前に少量のコーヒーを飲み、すぐ目を閉じる「カフェインナップ」は、短時間でもすっきりしやすい人がいます。カフェインが効いてくる頃(約20分後)に自然と起きられるためです。ただし、カフェインに弱い人や夕方以降は無理に行わないでください。

食事と栄養の取り方

朝・昼・夜の3食を欠かさず、たんぱく質(肉・魚・卵・大豆)と、ビタミン・ミネラル(野菜・海藻)をバランスよくとりましょう。特に鉄が不足すると、だるさや眠気が出やすくなります。鉄の基礎は、厚生労働省のe-ヘルスネット(鉄)が参考になります。

鉄を含む食品やレバーや赤身肉やまぐろやほうれん草

鉄には、体に吸収されやすい「ヘム鉄」(肉・魚)と、ゆっくり吸収される「非ヘム鉄」(野菜・豆)があり、両方を組み合わせると安心です。ビタミンC(ブロッコリー、ピーマン、みかんなど)を一緒にとると、非ヘム鉄の吸収が上がります。お茶やコーヒーは食後すぐより少し時間をあけると、鉄が吸収されやすくなります。

食品例1食の目安一緒にとるとよいもの注意点
牛・豚の赤身、鶏レバー赤身肉は手のひら大、レバーは少量キャベツ、ブロッコリー、レモン妊娠中はレバーのとり過ぎに注意。医師・助産師に相談。
まぐろ・かつお・いわし切り身1切れトマト、ピーマン、柑橘類刺身は新鮮なものを選び、体調に合わせて量を調整。
ほうれん草・小松菜・ひじきおひたし小鉢・煮物小鉢じゃがいも、いちご、キウイ野菜の鉄はビタミンCと一緒に。温かい料理でもOK。
大豆製品(厚揚げ、納豆、豆腐)副菜1皿野菜・海藻・柑橘鉄とたんぱく質を同時にとれて効率的。

「少しずつ毎食」取り入れることが、結果的に近道です。無理なく続けられる組み合わせを見つけましょう。

水分補給と脱水予防

水分が足りないと、頭が重い、集中できない、あくびが増えることがあります。のどが渇く前から、こまめに水分をとりましょう。アルコールは水分補給にならないので注意が必要です。

場面量の目安飲み物の例
起床後コップ半分〜1杯水、白湯、麦茶
午前・午後1〜2時間おきに数口水、麦茶、カフェイン少なめの飲み物
運動の前後汗に合わせてこまめに水、経口補水液(汗が多いとき)
入浴の前後それぞれコップ半分〜1杯水、麦茶

夜間のトイレが心配な方は、寝る直前にまとめて飲むのではなく、夕方までにこまめにとるのがおすすめです。

ストレスケアとゆっくり呼吸やルーティン

ストレスや緊張が続くと、自律神経(からだの調整役)が乱れ、あくびや眠気が増えることがあります。短い時間でよいので、毎日同じタイミングで「落ち着く時間」を作りましょう。

ゆっくり呼吸のやり方(椅子に座って行います)

1. 肩の力を抜き、目をやさしく閉じます。2. 鼻から4秒かけて吸います。3. 4秒そのまま止めます。4. 口をすぼめて6秒かけて吐きます。5. これを1〜3分くり返します。

寝る前のルーティン例:明日の心配ごとをメモに出す→ぬるめの入浴→部屋の明かりを少し落とす→首・肩をゆっくり回す→好きな香りや音楽でリラックス。「毎日同じ順番」で行うと、からだが「そろそろ眠る時間だ」と覚えてくれます。

カフェインやニコチンとの上手な付き合い方

コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに入っているカフェインは、少量なら気分をシャキッとさせますが、取り過ぎると夜の眠りが浅くなり、翌日のあくびが増えることがあります。厚生労働省のe-ヘルスネット(カフェイン)も参考に、量と時間帯に気をつけましょう。

コツ:午前〜昼に楽しみ、夕方以降は控える/デカフェや麦茶に切り替える/エナジードリンクは重ね飲みしない。ニコチン(たばこ)は脳を興奮させて眠りを浅くします。できれば本数を減らすか、禁煙外来などの支援を検討しましょう。

「完璧」を目指さず、できるところから1つずつで大丈夫です。今日からできる小さな一歩が、明日のあくびを減らす力になります。

薬やサプリの注意点

1757119425 - あくびが止まらないときに疑うべき病気・栄養不足と受診の目安

薬(くすり)やサプリは、体を助ける道具です。でも、えいようや体のはたらきに影響(えいきょう)して、あくびや強いねむけ(眠気)が出ることがあります。ここでは、よく使われる薬やサプリで気をつけたい点を、やさしく整理しました。自己判断(じこはんだん)で増やしたり、やめたりせず、気になるときは早めに相談しましょう

抗うつ薬や抗不安薬や睡眠薬や抗アレルギー薬の眠気

次のような薬は、ねむけ(眠気)やだるさが出やすいです。人によって強さはちがいます。飲みはじめ、量(りょう)をふやしたとき、ほかの薬やアルコールといっしょに使ったときに出やすくなります。

薬の種類(よみ)成分の例(日本で流通)眠気のポイント生活上の注意
抗不安薬(こうふあんやく、ベンゾジアゼピン系など)ジアゼパム、ロラゼパム、エチゾラム などねむけ・ふらつきが出やすい。長時間つづくことがある車の運転(うんてん)・高所作業はしない。アルコールはさける
睡眠薬(すいみんやく、非ベンゾ系・ベンゾ系)ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、ブロチゾラム など翌朝(よくあさ)までねむいことがある。記憶があいまいになる人も就寝直前にのみ服用(ふくよう)。起床まで7時間以上とれる日に使用
抗うつ薬(こううつやく)アミトリプチリン(三環系)、ミアンセリン(四環系)、パロキセチン・セルトラリン(SSRI)、デュロキセチン(SNRI)など種類でちがいあり。三環系はねむけが強め。SSRI/SNRIでも人によっては出る飲む時間を夜にずらすなどは、必ず医師(いし)と相談して調整
抗アレルギー薬(こうアレルギーやく、抗ヒスタミン薬)第一世代:ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン/第二世代:フェキソフェナジン、ロラタジン、エピナスチン、オロパタジン など第一世代は強いねむけ。第二世代は少なめだがゼロではない表示の「ねむくなることがあります」を確認。運転はさける
総合かぜ薬・鼻炎薬(市販)抗ヒスタミン成分をふくむ製品が多い「眠気の注意」表示があるものは特に出やすいほかのねむくなる薬と重ねない。必要最小限で短期間のみ

ねむけが強い、ふらつく、仕事や学校で支障(ししょう)が出る時も、勝手に中止しないでください。急にやめると、症状が悪化したり、めまい・不安・手のふるえなどの離脱症状(りだつしょうじょう)が出ることがあります。まず医師・薬剤師(やくざいし)に連絡しましょう。

くわしい注意点は、薬の箱や説明書(添付文書・てんぷぶんしょ)に書いてあります。疑問があれば、PMDA医薬品添付文書検索で確認できます。

市販薬やサプリメントは自己判断で増やさない

「効かないから量を増やす」「種類を足す」は危険です。同じ成分が重なったり、薬の効きすぎ・副作用(ふくさよう)で、ねむけやめまいが強くなることがあります。サプリも体に作用します。薬との飲み合わせ(相互作用・そうごさよう)に注意がいります。

ジャンル注意ポイント
市販の鼻炎薬・かぜ薬抗ヒスタミン入り製品、総合感冒薬ねむけが出やすい。ほかの「ねむくなる薬」と併用しない。運転はさける
乗り物酔い止めジフェンヒドラミンなど強いねむけあり。服用日は機械作業や自動車運転をしない
エナジードリンク・カフェイン錠高用量カフェインの飲料・錠剤一時的に目がさめても、その後に強いだるさ・睡眠の乱れ。心拍数が上がることも
睡眠サポート系サプリGABA、グリシン、テアニン など人によっては日中にねむけ。睡眠薬との併用は控え、使うなら短期間で様子を見る
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)気分サポート系サプリ多くの薬の効き目を変える。抗うつ薬・睡眠薬・ピルなどと相互作用に注意
鉄サプリクエン酸第一鉄、硫酸鉄 など貧血(ひんけつ)がある人に有用だが、自己判断で高用量を続けない。血液検査で不足を確認してから
ビタミンB群・葉酸(ようさん)ビタミンB12、葉酸 など飲みすぎても効果が上がるわけではない。妊娠中・授乳中は量の上限に注意し、医療者に相談

サプリの安全性や飲み合わせ情報は、国の研究機関がまとめています。購入前に、国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報」で確認すると安心です。

市販薬・サプリを同時にいくつも使わない、長く続けない、ラベルの用法用量(ようほうようりょう)を守ることが基本です。効果が弱い、ねむけが強い、1〜2週間で良くならないときは受診しましょう。

服用中は医師や薬剤師に相談する

薬を飲みはじめてから「あくびが止まらない」「日中ずっとねむい」が出てきたら、早めに相談してください。自己判断で増量・減量・中止をしないことが安全の近道です。

相談するときは、次の情報をそろえると話が早いです。

  • いつから、どの薬・サプリを、どれくらい飲んでいるか(飲む時間も)
  • ねむけが強い時間帯、仕事・勉強・運転への影響(えいきょう)
  • アルコール・カフェイン・市販薬の併用(へいよう)の有無
  • 睡眠時間・昼寝の有無、いびきや無呼吸の指摘があるか

医療機関には「お薬手帳(おくすりてちょう)」や、使っているサプリの現物・写真を持っていきましょう。薬の変更や飲む時間の調整で、ねむけが軽くなることがあります。運転や機械作業の可否は、必ず個別に確認してください。薬の注意や最新情報は、厚生労働省の医薬品情報ページも参考になります。

抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬は、急にやめると危険です。つらいときほど、一人でがまんせず、医師・薬剤師に「ねむけが強い」「日中の集中が切れる」と具体的に伝えましょう。あなたに合う量・飲み方を一緒に探せます。

よくある質問

1757119467 - あくびが止まらないときに疑うべき病気・栄養不足と受診の目安

あくびが止まらないのは病気だけが原因か

いいえ。あくびは、からだが「眠い」「休みたい」「緊張(きんちょう)からゆるみたい」とサインを出しているときに出やすい、ふつうの反応です。たとえば、睡眠不足(すいみんぶそく)や夜ふかし、朝起きる時間がばらばら、スマホやパソコンの見すぎ、ストレスや不安、部屋があたたかすぎる・寒すぎる、アルコールやカフェインのとり方、花粉症の薬などの影響でも起こります。

また、鉄不足(てつぶそく)による貧血(ひんけつ)、かぜや脱水(だっすい)などの体調不良、ホルモンの変化(更年期(こうねんき)や妊娠(にんしん)など)が背景にあることもあります。つまり、あくびが多いこと自体は、病気だけが原因ではありません

とはいえ、つぎのようなときは注意が必要です。1~2週間以上つづく強い眠気で生活や仕事・学校に支障が出る、いびきが大きい・息が止まると言われる、朝の頭痛やだるさが強い、気分の落ち込みが長引く、体重の大きな変化や強い冷えがあるなどの場合は、受診を考えましょう。胸の痛み、呼吸が苦しい、片方の手足が動かしにくい・ろれつが回らないなど急な症状があるときは、ためらわずに救急へ相談してください。

まずは生活リズムや睡眠の環境(光・温度・音)、薬やサプリの有無、食事や水分のとり方を見直してみて、数日~1週間ほどで変化がない・悪化するなら医療機関に相談が安心です。

仕事や学校で眠気が強いときの工夫

「すぐ効く対策」と「その日のうちにできる予防」を組み合わせると、からだが少し楽になります。つぎの表を参考にしてください。

場面・悩みすぐできる対策注意点・コツ
会議や授業でうとうと背すじを伸ばす・肩回し・つま先立ちで1分。水やお茶を一口。メモを取りながら聞く。同じ姿勢を長く続けない。冷えすぎ・暑すぎの環境を調整。
午後に急に眠い昼寝は10~20分だけ。ゆっくり深呼吸。外の光をあびて3~5分歩く。30分以上の昼寝は夜の寝つきを悪くするので避ける。夕方以降の昼寝はしない。
集中が切れる作業を小分け(15~25分)にして短い休けい。タスクを書き出す。完璧を目指さず「まず1行動」。通知は必要なもの以外オフ。
小腹(こばら)が空いてだるいおにぎり半分+チーズ、ナッツ少量、ヨーグルトなど。甘い物だけにしない。とりすぎは眠気のもと。水分もこまめに。
カフェインを使いたいコーヒー1杯(目安:午前~午後早め)。ガムで気分転換。寝る6時間前以降は控える。エナジードリンクの多量摂取は避ける。
朝がつらく日中ずっと眠い毎朝同じ時間に起きて朝の光を浴びる。朝食を少しでもとる。休日の寝だめは±1時間以内に。夜のスマホは就寝1時間前にオフ。
安全面が心配運転や高所作業は眠気がある日は避ける・交代する。「眠いときは運転しない」ことが最優先。無理はしない。

それでも強い眠気が続く、いびきが大きい・息が止まる、朝スッキリしない日が多いなどがある場合は、自己流でがまんせず、内科などで相談してください。

受診前に記録しておくとよいこと

メモがあると、診察がスムーズになり、原因に近づきやすくなります。スマホのメモやカレンダーで1~2週間ぶんを目安に書きましょう。

項目記録の例理由・ポイント
睡眠(ねむり)の記録寝た時間・起きた時間・夜中に起きた回数、昼寝の時間。生活リズムを把握。睡眠不足やずれが分かる。
あくび・眠気の様子出やすい時間帯、回数の目安、起こりやすい場面(会議、運転前など)。きっかけ(トリガー)を見つける手がかりに。
いびき・呼吸家族や同僚からの指摘「いびきが大きい」「息が止まっていた」など。睡眠時無呼吸の手がかりになる。
気分・ストレス不安や落ち込みの度合い(0~10点)、大きなできごと(締切、受験、家庭の変化)。こころの負担と眠気の関係を確認。
食事・飲み物朝食の有無、間食、カフェイン(コーヒー・お茶)の量と時間、アルコールの有無。低血糖(ていけっとう)やカフェインの影響を見きわめ。
薬・サプリ名前、飲み始めた時期、飲む時間。市販薬(かぜ薬・鼻炎薬など)も含む。眠気の副作用(ふくさよう)の確認に必要。
体調の変化発熱・かぜ・頭痛、体重の増減、月経(げっけい)の記録、妊娠の可能性。栄養不足(鉄・ビタミン)やホルモン変化の手がかり。
過去の病気・検査貧血といわれた、甲状腺(こうじょうせん)の治療歴、健康診断の結果。検査(フェリチン、TSH など)の必要性を判断しやすい。
生活・働き方交代制勤務、残業や通学時間、運転の有無、睡眠環境(光・音・温度)。環境調整のアドバイスにつながる。

記録は、正確でなくてかまいません。「だいたいこのくらい」でも十分に役立ちます。受診のときに医師や看護師、薬剤師に見せられるよう、1枚にまとめるか、スマホの画面を用意しておくと便利です。

まとめ

あくびが止まらないときは、ねむりの不足やストレスだけでなく、いびきが強い病気、首のホルモンの病気、気分の落ちこみ、片頭痛、鉄不足が原因のこともあります。強い症状があれば早めに受診しましょう。生活リズム、食事、水分を整えるだけでも楽になります。まずは内科に相談し、気になることをメモして持っていきましょう。昼寝はみじかく、カフェインはとりすぎないようにしましょう。ひとりで悩まず、少しずつ整えていけば大丈夫です。

心の不調を感じたら、ひとりで抱え込まないでください。

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