対象のご病気

自立支援医療(精神通院医療)における適応疾患には、精神科で診療を受ける場合に、さらに詳細な分類がいくつか存在します。精神疾患に関しては、ICD-10(国際疾病分類第10版)に基づく分類を用いることが多く、Fコードが精神疾患の分類番号に使われます。これを基に、適応疾患として認められている主な疾患群を以下に示します。

自立支援医療の適応疾患(精神疾患)

自立支援医療では、主に精神疾患に関する治療を支援するもので、対象となる疾患群は以下の通りです。ここではFコード(ICD-10による分類)を含むものを挙げます。

F0 – 精神的発達の遅れ

  • F01 – 早期発症の認知症
  • F02 – 後期発症の認知症
  • F03 – 認知症、詳細不明
  • F04 – 意識障害

このグループは主に認知症に関連する疾患です。
↓こちらで詳しく説明をしています

F2 – 統合失調症群

  • F20 – 統合失調症
  • F21 – 思春期型統合失調症
  • F22 – 持続的妄想症
  • F23 – 急性統合失調症または混合型障害

統合失調症に関連する疾患群です。こちらは幻覚や妄想を特徴とし、重篤な症状が続く疾患です。

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F3 – 気分障害群

  • F30 – 双極性障害、躁状態
  • F31 – 双極性障害
  • F32 – 抑うつエピソード
  • F33 – 再発性抑うつ障害
  • F34 – 気分障害(気分変調症など)

気分の変動や極端な抑うつや躁状態が特徴です。双極性障害やうつ病が該当します。

F4 – 神経症群

  • F40 – 恐怖症群(例:社会恐怖、広場恐怖)
  • F41 – その他の不安障害(パニック障害、全般性不安障害)
  • F42 – 強迫症(強迫性障害)

不安や恐怖を基盤にした疾患群で、強迫性障害や社会不安障害などが含まれます。

F5 – 物質関連障害

  • F50 – 摂食障害群(過食症、拒食症)
  • F51 – 不眠症群
  • F52 – 性的機能障害(性的欲求不満、性的不安)

これらの疾患群は、食事や性、睡眠などの生活習慣に関連した問題です。

F6 – 人格および行動の障害

  • F60 – 固定型人格障害(境界性人格障害、反社会性人格障害)
  • F61 – 混合型人格障害

人格障害や対人関係の問題、情緒的な不安定性が特徴の疾患群です。

F7 – 知的障害(発達障害)

  • F70 – 軽度知的障害
  • F71 – 中等度知的障害
  • F72 – 重度知的障害
  • F73 – 最重度知的障害

知的発達に遅れが見られる状態で、生活や学習の支援が必要です。

F8 – 発達障害群

  • F80 – 言語発達の遅れ(発語障害、音声障害)
  • F81 – 学習障害(ディスレクシアなど)
  • F84 – 自閉症スペクトラム障害(自閉症、アスペルガー症候群)

発達における問題で、言語や学習、社会的なスキルに関する困難が含まれます。

F9 – その他の精神障害

  • F90 – 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • F91 – 行動上の問題(反抗挑戦的行動障害など)

行動や衝動の調整に関する障害です。ADHDや反社会的行動を含むことがあります。

自立支援医療の目的と利用方法

自立支援医療は、これらの疾患を持つ患者さんが、医療サービスを受けやすくするための支援制度です。例えば、精神疾患に関する外来診療において、医療費の自己負担が軽減されることにより、患者さんが必要な治療を続けやすくなります。

  • 精神通院医療(自立支援医療)の目的:精神的または発達的な障害を持つ方が、医療機関に通院し、適切な治療や支援を受けることで、日常生活に支障をきたすことなく、社会で自立した生活を送れるように支援することが目的です。
  • 申請方法:自立支援医療を利用するためには、各自治体での手続きが必要です。手続きには、医師の診断書や医療機関の証明書が必要なことが多いです。
  • 対象となる疾患:精神的な問題や発達的な問題を含む多くの疾患が対象となります。上記のようなFコードに基づいた診断を受けた患者が対象です。

まとめ

自立支援医療(精神通院医療)では、精神的な疾患や発達的な障害を持つ方々が、日常生活を支えるために必要な医療サービスを受けやすくなるようにサポートされています。精神科の診療に必要な医療費の軽減や、必要な支援を受けることが可能となり、患者さんの生活の質を向上させるための重要な制度です。申請や利用の詳細は、地域の福祉事務所や医療機関で確認することができます。

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